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2018/01/26

中学生職場体験学習

大寒を過ぎ、寒さがいっそう厳しい今日この頃、皆様いかがおすごしでしょうか。

さて、戸栗美術館では1月26日~27日までの2日間、中学生の職場体験学習を受け入れました。今回は渋谷区立広尾中学校から実習生2名をお迎えし、館内の様々な業務を体験して頂きました。
おふたりとも初日のご挨拶からはきはきとしており、積極的に業務に取り組んで下さいました。普段馴染みのない陶磁器を紹介するということで、難しい点もあったと思いますが、それぞれ自分の言葉でしっかりと作品の魅力を書き上げることができました。この他にも、お客様の時には見えない裏方の仕事などを体験し、学芸員の仕事が多岐にわたることも知っていただけたことと思います。今回の職場体験学習を通して、美術館に一層興味を持っていただけましたら幸いです。

それでは、開催中の「古伊万里にみるうわぐすり展」出展品の中から、各々おすすめの作品を以下にご紹介していただきます。是非、ご覧下さいませ。



  今回2日間、職場体験でお世話になりました、渋谷区立広尾中学校2年生の増田 汐里です。今回の展示を見て、一番印象に残った作品は「白磁 花形猪口」です。
白磁 花形猪口

 この作品は、江戸時代、17世紀後半に作られた5客揃いの猪口で、口径8.8㎝の磁器です。私は、この作品の、綺麗に開く7枚の花びらと、器壁がとても薄く、光が透けて見えるというのが、とても素敵だと思いました。真っ白ではなく、ほんのり青味がかっていて、そこから柔らかい優しさも感じました。そして、周りの作品より小さな作品でも、透き通る光によってとても明るく、また、清楚な感じに見えました。
 私はキキョウの花が好きで、この磁器の花びらの部分がキキョウの花びらの形とすごく似ていたのも、この磁器を選んだ理由のひとつです。今回の展示では明るく照らされていたけれど、暗い中で小さな電気に照らされているところも見てみたいと思いました。食卓の上にこの磁器が一つでもあれば、雰囲気も明るくなり、上品さが味わえるのではないかと思います。
 





 今回2日間、お世話になりました。渋谷区立広尾中学校2年生の成瀬 響之です。
 今回、1番印象に残った作品は「瑠璃銹釉 碗」です。
瑠璃銹釉 碗

 この作品は、銹釉と瑠璃釉を掛け分けた口径14.3cmの薄手の平茶碗で、見込には、渦文の陰刻を施した伊万里焼です。この作品に惹かれた大きな理由は2つあります。1つ目は、色合いです。全面に銹釉で色をつけている中に三日月形に瑠璃釉が掛けてあり、アクセントが効いていて、より深みのあるイメージになっています。2つ目は、歴史的背景にあります。江戸時代の茶の湯では茶碗は陶器が好まれ、使われてきて、その中で磁器が少しずつ入り込むために陶器風の銹釉を掛けたものが作られました。磁器は端正な器形の印象がありますが、あえて、歪みをもたせることで、陶器に寄せていっているところが奥深いと思ったからです。この2つから僕は新しいことに挑戦していく姿を感じました。作品は奇抜な色合いに挑戦したり、茶の湯に入り込めるよう磁器が陶器に馴染むような工夫に挑戦しているようで、面白いと思い、惹きつけられました。