2016/11/25

中学生職場体験

ここ数日で冷え込みが増し、一気に冬の装いとなりました。
皆様、お変わりございませんでしょうか。

さて、戸栗美術館では11月22日~25日までの3日間(祝日を除く)、中学生の職場体験学習を受け入れました。今回は渋谷区立松濤中学校から実習生2名をお迎えし、館内の様々な業務を体験して頂きました。
おふたりとも初日のご挨拶からはきはきとしており、積極的に業務に取り組んで下さいました。職員一同、とても助かりました。
また、展示室にてブログで取りあげる作品を決める際にも、担当学芸員の話を真剣に聞いて下さいました。その中で、本当に興味のある作品を選んで下さったことは、学芸員として冥利に尽きる思いです。
今回の職場体験学習を通して、美術品や美術館に関するお仕事について少しでも興味を持っていただけましたら幸いです。

それでは、職場体験学習の感想と、開催中の「戸栗コレクション1984・1985-revival-展」出展品の中から各々おすすめの作品を、以下にご紹介していただきます。是非、ご覧下さいませ。



 私は3日間戸栗美術館で職場体験をさせていただきました。受付などの仕事から、学芸員の仕事の一つである研究のような仕事まで、たくさんのことを体験できました。その中で、お客様への細やかな気配りが必要なことは、美術館の仕事だけに限ったことではないと感じました。今後の生活に生かしていきたいと思います。
 それでは、私が「研究」した作品をご紹介します。私が一番印象に残ったのは「銹釉染付 双鶴文 輪花皿」です。山田さん
 17世紀中期につくられたもので、皿の大部分がチョコレート色になっています。私は、伊万里焼は白っぽい色をしているイメージがあったので、この作品を見たときとても驚きました。この色は銹釉という釉薬によるものだそうです。銹釉は鉄を呈色剤にしていて、高温で焼くと、化学反応により一面に鉄銹色の膜が覆う釉薬です。室町時代中期に茶の湯が流行し、以降、江戸時代には銹釉のかかった伊万里焼のうつわも、茶席にとり入れられるようになりました。色を使った作品よりは華やかさでは劣りますが、落ち着いた色合いが趣があってすてきだと思います。また、地味に見えてとても手間がかかっている点も特徴の一つです。このお皿には「型打ち成形」という成形方法が用いられています。これは、ロクロを使って形をつくった後、さらに型にかぶせ叩き締める方法です。型を使うというと、量産品のように思われがちですが、この作品のように何枚かセットで同じ質のものをつくるためにも大切な技法だと思います。実際、ロクロを使った作業にもう一つ工程が加わるということで、ロクロ成形だけの製品よりも高価だったと考えられています。
 私はこの作品について調べ、ぱっと見ただけではわからないところに職人技やていねいさがあるのだとわかりました。これからは、第一印象も大事にしつつ、気になったことはどんどん調べていきたいと思います。【松濤中学校 2年 山田華子】



小林くん
 今回の職場体験、とても不安で仕方ありませんでしたが、学芸員の方がとても分かりやすく、親切に教えてくださり、その不安もすこしずつなくなっていきました。学芸員の仕事は思っていたより何倍も大変でした。仕事をさせていただいたことで、体験の意味がわかったきがします。
 展示室案内をしていただいたとき、「染付 牡丹文 皿」という作品が印象にのこりました。これは「髭皿」といって、髭を剃るときに使われていたうつわの形で口縁を半月状に切った形がユニークで面白いなと思いました。半月状に切った方向とは反対側の口縁に2つの穴が開けられています。半月状に切った口縁を首にあててつかい、穴に紐をとおして壁にかけておくそうです。髭皿は髭を剃るだけでなく洗髭の説のほか、静脈から血を抜く治療法に用いたなどの諸説があります。25~30㎝のものが多いこの皿は形のユニークさと絵柄の豊富さから飾り皿として利用されることもあったそうです。
 一つ一つしっかり見ていくとどうやって作ったんだろうなあとかこれ本当に人の手でつくったのかなあなんて思ってしまうほどの作品も多くありました。私はこの3日間、沢山のことを学ばせていただきました。このような経験をさせていただけたことはとても幸せなことだと思います。3日間、どうもありがとうございました。【松濤中学校 2年 小林宗尋】